皆さん歯のお手入れはきちんとしていますか?歯は一生物です。永久歯がなくなれば生えてくることはありません。いくつになっても健康で綺麗な歯を維持していくには、日々のケアが大切です。お手入れ方法を間違えたり、お手入れしすぎて傷つけたりしてしまうと、虫歯や歯周病の原因になり、状態が悪くなれば、将来健康な歯を維持出来なくなります。自分の歯の状態や歯茎の状態に合わせた正しいケアをするために、日常の気を付ける習慣との正しいケア方法をご紹介します。
あなたの歯は大丈夫?日頃のNG習慣とNG症状
- ■毎食後に歯磨きをしていない
- ■食べた後に歯磨きをせずに寝てしまう
- ■喫煙をしている
- ■甘いものをよく食べる
- ■歯磨きを忘れて寝てしまう事がある
- ■歯磨きの時間は5分以内
- ■定期的な歯科検診を受けていない
- ■歯間ブラシや糸ようじを使用しない
- ■歯が痛い、しみる
- ■歯磨きをすると血が出てくる
この中に一つでも当てはまるものがあれば、あなたは虫歯や歯周病を発症している可能性が高いです。進行していけば、将来、歯がなくなってしまう可能性があります。今から習慣を変えていけば、進行を止めることが出来ます。
虫歯の原因
虫歯は、口の中の細菌の増殖、糖分の摂取、歯の質などの要因が絡み合って発生します。虫歯は歯垢(プラーク)を住みかとしていて、甘いもの(糖分)が大好きです。この要因が重なった状態で、時間が進むにつれて、虫歯になっていきます。だらだら食いをしたり、間食が増えて甘いものやジュースなど絶え間なく取り続けたりすると、口の中が酸性になり、虫歯菌が酸を発生させて歯を溶かす状態となってしまします。また、間食後に昼寝をしたりすると寝ている間に菌がより増殖して虫歯を悪化させてしまいます。このような生活習慣を見直し、食べたら磨く習慣、間食を控えるなど虫歯菌を増やさないための工夫を行いましょう。
実はあまり知られていない危険な歯周病
歯周病は歯を支えている周りの組織が歯周病菌によって破壊されていく感染症です。何もせずに放っておくと歯がグラグラとぐらつくようになり、最後には歯が抜けてしまいます。歯周病は生活習慣病と言われています。つまり、生活習慣を見直すことで、歯周病を防ぎ、進行を止めることが出来るのです。
歯周病はサイレント・キラー
歯周病は初期段階ではあまり自覚症状がないことが特徴です。気付かないうちに口の中の最近は増えていき、気付いたら歯を失う段階まで進んでしまう「お口のサイレント・キラー」とも呼ばれています。
成人の80%前後が歯周病になっていると言われています。しかし、自分が歯周病だと気付いている人や、どのくらいの歯周病の進行度なのかを知っている人は少なく、間違ったケアをしている人は多いのです。
歯周病チェック
- □歯ぐきが赤くはれた部分がある
- □歯ぐきがやせてきた
- □口臭が気になる
- □歯と歯の間にものがよくつまる
- □歯を磨いた後、歯ブラシに血がついていたり、すすいだ水に血が混じっていたりすることがある
- □歯と歯の間にある歯ぐきがブヨブヨしている
- □指で触ってみて、少しぐらつく歯がある
- □歯ぐきから膿(うみ)が出たことがある
- このチェック項目で1~2個当てはまれば歯周病の可能性があります。
3~5個なら初期あるいは中期歯周炎、歯周病が進行している可能性が高いです。
歯周病の進行
最初は歯肉炎がおこり、歯ぐきがたまに腫れる、赤く充血する、歯ブラシに血がにじむ程度です。初期の歯周炎になると、歯周ポケットが出来て歯周組織の破壊がはじまります。この時に歯が浮くような感覚が起こることもあります。中期歯周炎になると、歯ぐきが痩せたり、ブヨブヨになったり、食べ物が歯に挟まりやすくなる、口臭がする、硬いものが噛みにくくなる。という症状が出てきます。末期になると歯槽骨がほとんどなくなり、歯の根が露出してしまいます。歯はぐらつきが大きくなり、最後は抜け落ちます。
虫歯・歯周病を防ぐためのケア方法
セルフケアで大切なのはやはり歯磨きです。しかし、歯を磨いていても、実は磨き方が間違っている、磨けていないところがある方がほとんどです。それは磨き方や使用するケア用品の選び方が間違っている可能性があります。正しく綺麗に歯を磨き、歯を健康に保つための方法をご紹介します。
■歯ブラシは自分のサイズに合うものを選びましょう

- 歯ブラシには、長さ、大きさ、硬さや形状の違うものなど様々な種類があります。
- 乳歯用、子供用、大人用、仕上げみがき用などの選択、持ちやすいグリップ、
- 口の大きさや手の大きさ、歯並びなや歯の形状の状態に合わせて最適なものを選びましょう。サイズが合わず大きすぎたり、硬すぎたりすると歯ぐきを傷つけてしまい、悪化させてしまう要因にも繋がります。毛の種類の選択も自分に合ったものを選びましょう。
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- ■歯ブラシの使い方
- 歯ブラシの当て方
- 歯の形状に合わせて、歯ブラシは作られています。歯ブラシの「つま先、わき、かかと」をしっかりと使い分けて磨きましょう。磨き残しの多いところは、「歯と歯の間」「歯と歯肉の境目」「かみ合わせ」の部分です。 磨く時の力は軽く歯に当てる程度が最適です。磨いているときに歯ブラシの毛先が広がっているのは力の入れすぎのサインですので、グリップは軽く持ち、小刻みに動かして歯ブラシの毛先が細かい場所に入っていけるように動かしましょう。
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- ■歯ブラシはこまめに交換しましょう
- 歯ブラシは古くなると機能が弱まってしまい、同じ時間みがいていても、歯垢をしっかりと落とせません。歯ブラシの交換期間は、磨き方や磨く回数によってもさまざまですが、少なくとも1カ月を目安に新しいものに交換しましょう。
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- ■デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを使いましょう

- 歯ブラシと歯磨き剤を使って、ていねいにブラシングしても、歯垢の除去には限界があります。歯と歯が接している面、歯と歯ぐきの境目、奥歯のかみ合う面の溝には、歯ブラシの毛先が届きにくいからです。デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシは歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間に付着した歯垢を書き出しくれる効果があります。デンタルフロス(糸ようじ)はゆっくりと歯と歯の間に入れ、上下に動かして歯垢を除去しましょう。この時に鏡を見ながら歯ぐきを傷つけないようにゆっくりと挿入しましょう。最後にお口をよくすすぎ、汚れを取り除きましょう。歯間ブラシは、I型やL型など、さまざまなタイプがあります。隙間に合わせて自分に合ったものを選びましょう。歯肉に沿わせてゆっくりと入れ、前後に動かします。奥歯の場合は外側からも、内側からも挿入して前後に動かして汚れを除去しましょう。
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- ■歯磨き剤
- 歯磨き剤には様々な種類があります。虫歯を予防、フッ素配合、歯を白くする効果、知覚過敏対策のものなど、目的、お口の状態に合わせて選びましょう。
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- ■デンタルリンス(洗口液)
- デンタルリンスは、適量に口に含んですすぐことで、お口の中を清潔にしてくれます。殺菌作用のある成分が含まれているものは、歯周病や虫歯の予防、口臭予防の効果があります。成分によって効果が異なるので、お口の状態や環境に合わせて選びましょう。デンタルリンスは歯磨きの補助として使用します。きちんと歯磨きをしてから使いましょう。使用するタイミングは歯磨き後や、寝る前の使用が効果的です。
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- ■舌の掃除をして口臭予防
- 口臭が発生したり、口の中の細菌が繁殖してしまう原因を作るのは、舌苔(ぜったい)です。舌に白色や淡黄色の色がついていることに気づいたことはありませんか?これは舌苔(ぜったい)と呼ばれる、死んだ細菌や新陳代謝ではがれた粘膜上皮の細胞、血球成分、食物の汚れなどから出来ています。うがいをするだけでは、この汚れを取り除くことは出来ません。起床した時舌ブラシや柔らかい歯ブラシで舌を磨くようにして取り除きましょう。
日々のケアでお口の環境づくり
虫歯や歯周病は口の中の環境だけではなく、炎症した部分から菌が入り込み、全身の健康にも影響を与えてしまいます。また食べることに欠かせない歯は、健康な食生活を送り、長生きしていく事にも繋がります。歯科検診も定期的に受診し、セルフケアでは手の届かない所のケアも行うようにしましょう。いくつになっても自分の歯で美味しいものが食べられて、健康な歯を守っていくために、日々しっかりとケアをしていきましょう。