秋になるにつれて、インフルエンザや風邪などの感染が増えていきます。また新型コロナウイルスの流行も加わり、例年以上にウイルス予防や免疫力を高めることがとても大切になっています。
これから冬になると空気が乾燥し、ウイルスも増えやすくなります。
免疫力が高い方は、このような外部からのウイルスの侵入に対して体を守ってくれます。しかし、体力が低下していたり、免疫力が低下しているとすぐに体調を崩しやすくなったり、風邪やウイルスに掛かりやすく、治りにくい状態になってしまいます。
免疫力を高める為に特に大切なのは「食事」です。免疫についての知識と免疫力を高める食材をご紹介します。
私たちの体にある「免疫」の機能は、病原菌などから体を守り、健康を維持するための保護システムです
通常、身の回りには、細菌やウイルス、ホコリや汚染物質など、体に有害なものが沢山存在します。
そのような有害なものがあっても病気にならないのは、有害物質を体から排除する、免疫という防護システムがあるからです。
免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。
免疫がきちんと作用していると、がん細胞や外から侵入したウイルスなどを常に監視し撃退する自己防衛システムが働きます。つまり、免疫力が下がると、本来、有害物質を無くしてくれる作用が働かなくなり、病気にかかりやすくなってしまうのです。
免疫システムは15歳までに出来上がると言われています。20歳を超えると免疫力は落ちてしまう為、常に免疫力を高めてあげることが大切です。
免疫力を高める前に、免疫力が下がってしまうような行為や生活をしていませんか?
普段から風邪をひきやすかったり、アレルギー体質、体が疲れやすいなどの症状がある方は、免疫力が低下している可能性があります。
なぜ免疫力が下がってしまうのか、原因を知り、免疫力を下げないように気を付けましょう。
強いストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、免疫力の低下につながります。
それは、精神的・肉体的のどちらのストレスも同様です。
睡眠不足や過度なストレス、激しい運動など体にストレスを与えてしまうと自律神経が崩れてしまいます。
免疫が正常に機能するためには自律神経のバランスがよく働いているかどうかが大切です。
交感神経は主に日中に活動し、全身の活動力を高める神経で、血圧や血糖を上げたり、血液を筋肉や脳に集める働きがあります。
副交感神経は主に夜間、リラックスしている時に優位に働きます。体を回復させる神経で、内臓の機能を高めたり、免疫機能を正常にする作用があります。
しかし、長期間にわたって強いストレスにさらされると、自律神経の働きが乱れ、常に交感神経ばかりが優位になってしまいます。そうなると免疫機能が正常に働きません。
運動は免疫力を高めてくれますが、激しい運動はかえって免疫力を低下させることが分かっています。
激しい運動をすると、ストレスホルモンが多く分泌され、免疫機能が抑制されます。バリア機能が一時的に低下することで、病原体の侵入を防げなくなってしまう事で、風邪をひきやすくなったり、ウイルスにかかりやすくなってしまいます。何事も適度が最適です。
免疫力を上げて健康に過ごすためには、食事がとても大切です。
免疫力を高める食材と食事方法をご紹介します。
□玄米や胚芽米
たんぱく質、ビタミン、ミネラルを多く含んだ玄米が理想的です。
□ゴボウ、レンコン、ブロッコリー、ジャガイモ
ビタミンCが含まれていて、白血球の働きを強化し、免疫力を高めます。
さらに、ブロッコリーに多く含まれるビタミンEは血行を促進します。これらのビタミンには活性酸素を抑制する抗酸化作用があり、抵抗力強化にもつながります。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることによってより効果が高まります。
コボウ、レンコン、ブロッコリーの食物繊維には感染症などに対する抵抗力を付ける成分が含まれるため食物繊維を多く取れる食材を摂りましょう。
□ニンニク、玉ねぎ、長ネギ
硫化アリルが含まれていて、この一部が体内でアリシンという成分に変化し、免疫力を高める効果があります。アリシンは、ビタミンB1、B2の吸収力をアップさせる効果もあります。
B1は体内の糖質の分解を促進、B2は代謝を促進させ、細胞の活性化を促してくれるので、疲労回復に繋がり免疫力アップに役立ちます。
□春菊
春菊には免疫力と抵抗力を高める効果があります。
免疫力をアップさせるカロテンの含有量が高く、茹でるとその効果がより高まります。
また、カロテンは油に溶けると、吸収率がアップするので、ゴマ和えやオリーブオイルなどで一緒に調理するとおすすめです。
□カボチャ
三大抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンE、βカロテン、ビタミンCが豊富に含まれています。
βカロテンは粘膜系の正常化や免疫力の向上、目の疲労を癒してくれる働きもあります。
□こんぶ、ひじき、わかめ
アルギン酸という食物繊維を多く含んでいて、多くのミネラル、特にマグネシウムや亜鉛を含んでいる理想的な免疫力アップ食材です。
□しいたけ、しめじ、なめこ、マイタケなどのきのこ類
食物繊維やビタミンDなどを多く含む低カロリーの健康食品です。
□煮干し・干しエビなどの小魚
小魚などの小さなものは頭からしっぽまで一度に食べられる為、カルシウムやミネラルなどの豊富な栄養素を摂り入れることが出来ます。
□味噌、納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品
発酵食品は、腸の健康を保ち、腸内の善玉菌を増やしてくれるので、免疫力向上の効果が期待できます。
免疫力が正常に保たれる体温は36.5℃程度といわれています。免疫力は、体温が1℃下がると30%低下し、逆に1℃上がると一時的には最大5~6倍アップするともいわれ、体温を上げることの重要性がよく分かります。35℃台の低体温の方は免疫力が低く、風邪をひきやすい方が多くいます。そして回復力も低いため、体調も戻りずらい状態になってしまいます。
基礎体温を上げることで免疫力アップにつながります。
■入浴で体を温める
ゆっくり入浴することで、身体の芯から温まるため、免疫力を高めてくれます。
38~40℃ぐらいのお湯に、20~30分ほどゆっくりとつかりましょう。
■ぐっすり眠りましょう
昼間の疲れをとり、身体をリラックスさせるために睡眠はとても大切です。
睡眠中は、免疫細胞の働きがとても活発になり、免疫力が高まります。
■沢山笑いましょう
笑うと免疫細胞が活性化するという研究結果が出ています。
また、笑う事でストレスに関するホルモンが減って、心が穏やかになりリラックス効果にも繋がります。
リモートワークや、外に出る機会が減り、笑う機会が減っている方は多いのではないでしょうか?
好きなテレビや動画を見たり、友達とリモート会話したりして、笑う機会を増やしてみましょう。
■身体を温める食材を摂りましょう
免疫力を高める為には生活習慣がとても大切です。その中でも食事はとても大切です。
体を温めて免疫力を高める食材を選び、バランスよく摂ることで、健康的な身体を維持することが出来ます。一緒に生活のリズムを整えて、ストレスの掛からないように心も体も両方のケアを行い、病気に負けない身体作りをしましょう。