今やどのサロンでも当たり前のように販売している【エステ回数券】ですが、いざ自分のサロンに導入するとなると、難しくて迷いませんか?そこで今回はエステ回数券のメリット・デメリットや、売り方のコツ、価格相場比較まで、ワールドジャパン株式会社の佐藤が解説していきます!
エステ回数券をご存じでしょうか。エステ回数券とは、施術をお得に受けられるサービスで、多くのエステサロンに取り入れられています。
エステ回数券とは、10回分、20回分というように施術券をまとめて購入するシステムで、都度払いよりもお得に施術を受けられるというメリットがあります。
エステ回数券にはいくつかのパターンがあり、以下でご紹介するのはその代表例です。
エステのコースには、フェイシャル、痩身、脱毛などがあり、回数券を利用すればこれらの施術をセットにしてコースかすることで安くなるというパターンです。
つまり、ひとつの施術ごとに都度払いで施術を受けるよりも、お手軽な金額で施術を受けられるということですね。
たとえば、ひとつの施術に対して10回分のエステ回数券を購入した場合、11回の施術を受けられる(施術1回分が無料)、20回のエステ回数券を購入した場合では21回の施術+化粧品や美容グッズのプレゼント付という、お得感を前面に掲げたパターンです。
エステ回数券には何らかの付加価値がついてきますので、それだけでも都度払いよりもお得感が高いことがわかります。では、エステ回数券には他にどのようなメリットがあるのでしょうか。
エステ回数券は10枚、20枚というようにまとまった枚数で販売するものであるため、回数券の残りが少なくなった際には新たなエステ回数券を顧客に勧められます。
つまり、顧客を継続的に獲得できるということですね。
エステ回数券には有効期限が設けられており、有効期限内に消費しないと無効になるという仕組みが導入されています。
そして、このシステムを導入して施術計画を立てれば、顧客の来店頻度をコントロールすることが可能になります。
都度払いのみに対応している場合では、まとまった売り上げを叩き出すことが難しいでしょう。なぜならば、都度払いを利用する顧客は、自分のペースで来店頻度を決めることができ、長期間が開いてしまった場合では売り上げにつながらないからです。
一方エステ回数券を販売すれば、1回にまとまった施術回数分の売り上げを計上できます。
エステ回数券にはあらゆるメリットがありますが、その一方でデメリットがないわけではありません。それでは、エステ回数券のデメリットについて見ていきましょう。
エステ回数券を導入すると、顧客1人当たりの予約管理が難しくなります。予約管理はパソコンを使用して管理できますが、顧客の人数が増えれば増えるほど、入力作業が増えるだけでなくスケジュール管理も難しくなるでしょう。
エステ回数券は、エステ側にも顧客側にもメリットがありますが、1回分無料、プレゼント付与などの特典を付けることで、単品メニューよりも客単価が下がる可能性があります。
また、無料とした1回分の施術でも人件費や光熱費は通常通りかかりますので、エステ回数券を導入するなら慎重に検討する必要があるでしょう。
エステでは、「期間が1カ月を超え、なおかつ金額が5万円以上を超える契約」がクーリングオフの対象となっています。
そのため、期間が1カ月を超え、金額が5万円以上のエステ回数券を導入する場合はクーリングオフ制度について対応が必要になるため、注意が必要です。
クーリングオフの手続きは、契約書を取り交わした日から8日以内とされていますが、複数人の顧客が同時にクーリングオフを申し出た場合では対応に長時間を費やすことになり、施術時間が削られるリスクが高まるでしょう。
エステ回数券を導入するなら、まずはプランについて知っておく必要があります。こちらの章では3つのプランをご紹介していますので、まずはプランの基本的な知識を知っておいてください。
エステサロンの多くは、ひとつのパターンではなく、3つのパターンでプランを用意しています。それは、顧客の目的や施術内容によって単価が異なったり、利用頻度が異なったりするからです。
それでは、3つのプランについて見ていきましょう。
エステの痩身コースやブライダルコースでよく見られるのが、徹底集中で高単価のコースです。例えば、真剣に痩せたいと思っている顧客なら、多少お金がかかったとしても徹底集中で施術を受けて理想のボディを目指したいと考えるでしょう。
また、ブライダルコースでは1カ月~1年程度のコースが設けられていますが、短期コースでは施術を短期間に詰め込んで行う必要があるため高単価になり、長期コースでは施術回数が多くなるため、やはり高単価になります。
高単価コースの約半額程度で施術を受けられるコースです。このコースでは、短期間に施術を詰め込まず、標準的な間隔で施術を行いますが、標準単価コースで顧客満足度が高かった場合では、次回につなげるチャンスが広がるでしょう。
また、施術期間を6カ月、12回の施術というように比較的少ない回数での施術になりますので、回数券を販売しやすいコースだといえるでしょう。
もちろん、高単価コースのエステ回数券を数多く販売するのが理想ではありますが、いきなりそうなることは難しいと考えられますので、まずは標準単価コースのコンスタントな販売を目指すと良いでしょう。
始めて来店する顧客を対象としたコースで、初回限定でお得に施術を受けられるという特徴があります。初めて来店した顧客がその後継続するかどうかは初回で決まるといっても過言ではないため、新規顧客獲得を目的として、このコースを導入しているエステサロンを多く見かけます。
初回で施術が気に入ったり、スタッフの感じが良い、相性が良いと感じたりした場合では、その後継続契約になる可能性がありますので、新規顧客のためにも、このコースの導入は必須だといえるでしょう。
エステサロンの経営に当たっては、大まかな経営方針を決定した上で開設に至っているのではないでしょうか。
たとえば、フェイシャル専門、ボディ専門、あるいはどちらも施術を行うなど、経営方針はさまざまです。
また近年では、エステサロンにヘアサロンやネイルサロンが併設されているサロンもちらほら見かけるようになりました。
このようなサロンにおいては、ネイルの施術ついでにフェイシャルも受けられるといった利便性の高さがメリットとして挙げられます。
いずれの場合でも、まずは自サロンのメニュー数と雰囲気に着眼し、自サロンの特徴を考え直してみましょう。
まず大切なことは、サロン開設時、もしくはエステ機器の新規導入時に最も労力がかかったマシンを使うメニューをエステ回数券で利用できるようにしておくということです。
エステ回数券の利用でマシンを使用できるようになれば、マシンの稼働率が高まり、マシンを使用することなくそのまま故障して使用できなくなるなどリスク回避が可能になります。
主軸になるメニューが決まったら、セット商品として売り出したいメニューをプラスする「セット販売」を始めましょう。
たとえば、主軸になるメニューがフェイシャルエステなら、「小顔効果」+「スキンケア」、ボディケアなら「下半身」+「ハンドメニュー」といった具合です。
ここで注意していただきたいポイントは、時間がかかりすぎるメニュー同士をセットにしないということです。
目安としては、10分程度のメニューを2セットで販売するという方法がおすすめできるでしょう。
そうすることで、客単価を下げず、なおかつ施術者の負担が減るというというメリットが生まれます。
誰でも「オマケ付き」や「お買い得」には弱いですよね?
たとえば、エステ回数券自体の価格が高額だったとしても、「物販1個プレゼント」や「〇〇円分安く施術を受けられる」などの特典があると、つい購入してしまうのが人間の心理なのです。
なお、同時に両方取り入れる必要はなく、客単価と施術者の負担軽減をベースとして付け足しを行うことが大切です。
無理にふたつを取り入れようとすると、安くした分客単価は下がり、施術者の負担は大きくなるでしょう。
また、物販をプレゼントとしてつける場合では、単純に仕入れ費用がかさんで本末転倒になる可能性も否めません。
オマケや物販プレゼントを導入するなら、自サロンの営業形態を見直し、費用対効果を得るための工夫を凝らすことが大切です。
エステ回数券を導入する際には、相場を参考にするべきなのでしょうか。それでは、エステ回数券の相場や注意点についてご紹介します。
エステ回数券の価格は、施術の種類によって異なります。
たとえば痩身エステなら、10回~15回程度の施術で10万円~11万円前後となっており、総支払額が都度払いよりも5万円程度安くなるように設定されています。
つまり、10回~15回程度の施術では、20%程度の割引が適用されているということです。
ただし、エステにはあらゆる種類の施術がありますので、この数字はあくまでも目安として捉えておいてくださいね。
価格相場を調べると、他サロンの施術料金を大まかに把握できますが、それを鵜呑みにしてしまうのは危険です。というのは、自サロンよりも安いサロンを見つけた場合では、競争心から自サロンの価格を下げようという心理が働くからです。
しかし、価格を下げるという行為は施術の価値を下げるということでもありますので、価格相場には振り回されないように注意しましょう。
似たような価格で同じ施術を提供しているサロンを見つけると、顧客としては別のサロンとの違いがわからなくなって、最終的に他サロンに流れてしまう可能性が否めません。
そうならないためには、自サロンで提供する施術の価値を良く見定めた上で価格を決定する必要があるでしょう。
自サロンと他サロンの施術はつい比べたくなりますが、それは無駄な行為です。というのは、同じような施術を提供してはいても、施術内容についてはそれぞれにオリジナリティがあることが多く、まったく同じではないからです。
施術価格を決定する際には、「自サロンがどこまでのサービスを顧客に提供できるのか」を基準にし、施術内容だけで決定してしまわないように注意しましょう。
エステ回数券の価格設定には3つのポイントがありますので、まずはそれぞれのポイントをしっかりと押さえておいてください。
仮に月間の売り上げ目標を100万円とした場合に30日で計算をしてみると、1日あたり約33,000円の売り上げを計上しなければなりません。
そして、1日5名の顧客が来店すると仮定した場合には、客単価6,600円となります。
しかしこの場合では、1カ月150名の顧客に来店してもらう必要があるため、あまり現実的な目標とはいえないでしょう。
一方、客単価を1万円に設定すれば、1日3名程度の接客で目標を達成できることになります。
つまり、目標とする売上金額が決定したら、一日何人の施術をすれば達成可能であるのか、物理的に無理のない数字であるかどうかを確認しましょう。
数字ばかりに気を取られていると、施術内容や接客態度がおろそかになって、既存の顧客が離れてしまうリスクが高まります。エステを経営する以上、数字を追いかけることは確かに大切ではありますが、あまり追いかけすぎると逆効果になるということも知っておきましょう。
エステサロンを新規開設したなら、何はともあれ新規顧客の獲得に尽力しなければなりません。そして、その一端として行うと効果的なのが、初回の割引率を高めに設定するということです。
つまり、お試し価格を設定しておくということですね。
例えば初回の施術は思い切って50%割引にしてみましょう。
「安いから行ってみよう」という顧客が獲得できます。もちろんそこで終わってしまっては意味がありません。その次に繋げるための「エステ回数券」なのです。
とはいえ、毎回50%割引にしてしまうと、経営が成り立ちませんので、初回よりは割引率を下げる必要があります。
この作戦を実行すれば、実行しない場合と比べて早い段階で新規顧客につながるでしょう。
エステ回数券を導入したら、購入してくれた顧客をいかにうまくつなぎ留めるかが重要になってきます。では、どのようなポイントに注意を払うべきなのでしょうか。
エステ回数券の販売は、販売期間と使用期間をうまく設定しましょう。それは、エステには繁忙期と閑散期があるため、これらの設定に失敗すると思うような集客ができなくなる可能性があるからです
エステの閑散期は、年明けの1月、年度末を迎える直前の2月、特に大きな行事がない10月です。ということは、この時期にお試しエステ回数券を積極的に販売しておけば、繁忙期に入る前の顧客獲得につながる可能性が高まるということですね。
閑散期に入ると、これまで順調だった売り上げが下降線を辿り、驚くことがあります。しかし、そうなる前に閑散期から仕掛けておけば、閑散期を無事に乗り切る対策として役立つでしょう。
エステ回数券は閑散期に仕掛けることが大切ですが、それと同じくらい大切なのは、エステ回数券の使用期限を閑散期に被せるということです。ここでエステ回数券をうまく消費してもらえれば、次回の回数券も勧めやすくなるでしょう。
つまり、閑散期を乗り切る対策になるだけでなく、固定客になってくれる可能性も高くなるということです。
エステ回数券の告知は早めにスタートさせましょう。告知の方法は決して難しいものではありませんので、ひとまず以下でご紹介する方法を参考にしてみてください。
営業にメール配信やSNSを利用しないという手はありませんので、まずはこれらを上手に活用してください。また、ホームページを作成しているなら、お得なエステ回数券販売期間に入る1か月前を目安として告知しておきましょう。
利用中の顧客にアピールするなら、店内POPが最も効果的で効率が良い方法でしょう。POPが顧客の目に留まって何か質問されたら、もうこっちのものです。質問に対して積極的に回答することで、サロン自体の好感度がアップする、エステ回数券に対する顧客の興味が高まるなどのメリットを得られるでしょう。
顧客の施術中には、「来月すごくお得なキャンペーンがあります!」など、さりげなく顧客にエステ回数券販売をほのめかしてみましょう。コツとしては、あくまでもさりげなく、顧客に押し付けようとしないということです。
顧客がどれだけお得に施術を受けられるかという点をアピールしたら、ひとまずそこでアピールはストップして、顧客の行動に任せるのがポイントです。
なお、アピールする際には、エステ回数券を利用することで見える顧客のゴールについての説明を入れるとより効果的です。
エステ回数券を販売するにあたっては、知らなかったでは済まされない法律に注意する必要があります。
エステ回数券を販売する際には、二つの書面が必要になります。どちらも大切な書面ですので、実際に販売する際には、早めに書面を用意しておきましょう。
エステティックサービスにおいて「継続的役務提供取引」にあたるものは、特定商取引を順守することが義務付けられています。概要書面とは、顧客と契約を交わす際に、契約内容についての説明を行い、契約を行ったことを示すための書面をいいます。
概要書面は、1カ月以上の契約期間かつ5万1円以上の契約の際には必ず交付する必要がありますので注意しましょう。
概要書面を顧客に提示し、説明を行った上で契約を締結する際に記入する書面です。契約書面もまた、1カ月以上の契約期間かつ5万円を超える契約の際には必ず交付する必要がありますので、こちらもあわせて注意してくださいね。
特定商取引法では、消費者の権利として「クーリングオフ制度」や「中途解約」が定められています。
これは、消費者(お客様)と事業者(エステサロン)との間で締結される施術サービスの契約において、役務期間の契約が1ヶ月を超えており、なおかつ契約金額が5万円(入会金・消費税等含)以上の契約を対象としています。
また、契約に際して、①概要書面(事前説明書)の交付、②契約書面の交付、③中途解約のルールなどは必ず守らなくてはなりません。
その他、誇大広告の禁止、不実告知、威迫・困惑等の行為の禁止、書類の閲覧等の義務付け、指示、業務の停止等など、細かい規制がたくさんあります。
回数券のような長期間に渡ってお客様にサービスを提供するものは、特定商取引法の規制対象になる場合があります。
「シワが消える」や「◯kg痩せます」のような言葉でおすすめしたり、顧客が望まないしつこい勧誘を繰り返したりすると、規制対象や罰則対象になります。
詳しくは、特定商取引法を確認してください。
クーリングオフ制度とは、指定された期間内に契約を解除するための方法で、1カ月以上の契約期間かつ5万円を超える契約が対象となります。
なお、クーリングオフ期間は契約を締結した日を含めた8日以内となっており、この期間内であれば顧客に支払い義務が生じることがなく、契約を解除できます。
エステ回数券の販売は、コツを掴めばそれほど難しくないことがお分かりいただけましたでしょうか?ご自分のサロンに見合ったプランニングと、価格設定が重要です。是非、お客様が通い続けたくなるサロンを目指してエステ回数券を導入してみてくださいね。
エステ機器にはさまざまな種類があり、目指すサロンによって購入する機器は変わってきます。サロンのコンセプトに沿った正しい機器の選定が重要と言えるでしょう。また、保証やアフターフォローの有無は、その後のサロンの運営に大きく関わります。
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