自宅でエステサロンを開業したい場合、どのような間取りが理想的でしょうか?自宅サロンに必要な間取りや物品など、これから開業したサロンオーナー様向けにワールドジャパン株式会社の鈴木が詳しく解説していきます。
自宅は生活感にあふれているけど、本当にこんなところでエステサロンを開業できるの?と最初は誰もが思うはずです。自宅サロンを開業にはどんな部屋でもいいというわけではありませんが、実は一般的な部屋の広さでも十分開業できます。
ただし、雰囲気にこだわるなら広さはある程度必要だし、間取りにも向き・不向きがあります。まずは開業前に、今住んでいる自宅がサロン開業に向いているかどうか確認してみましょう。
賃貸マンションや借家に住んでいる場合、サロン開業に向けて動き出す前に必ず大家さんや管理会社に営業許可を取りましょう。賃貸物件に住む際には必ず契約書にサインしますが、居住用として「住む専用の契約」をしているはずです。そこで勝手に営業活動を始めることは契約違反となり、民法上でも違反となるので強制退去となる可能性があります。
では、分譲マンションは自分の家だからOKなのかというと、実はこちらも管理組合により営業活動を制限している場合があります。賃貸のように気軽に引っ越しできない分、不要なトラブルは絶対に避けたいところ。大規模なマンションでバレなさそうでも、必ず管理組合に確認して許可をとりましょう。
自宅サロンは、最小で6畳ほどの独立スペースが確保できれば開業可能です。例えば自宅サロン用に賃貸マンションを借りた場合は、6畳1間のワンルームや1Kでも十分に営業できるでしょう。
イメージ図(1):居住スペースのない場合(1Kの場合)
現在居住しているマンションを利用したい場合は、生活感のない空間を6畳以上確保できるのであれば開業可能です。ただし、普段の生活空間が真横にある環境なので、普通に住む以上の工夫や気配りが必要となります。
自宅サロンの場合、どうしても施術スペースまでの動線は生活スペースとの共用となります。そのため、玄関から居間を通って施術スペースに…という間取りにしてしまうとサロンの特別感がうまく演出できません。
施術スペースまではなるべく生活感に触れないよう、最短でたどり着く場所に設定しましょう。例えば2Kの場合は以下のような間取りが自宅サロンに向いています。
イメージ図(2):居住スペースのある場合(2Kの場合)
1Kしかない間取りでも、6畳以上の広さを確保できるのであればパーテーションなどを使って独立スペースが作れます。どちらの場合も玄関やトイレは共用スペースとなるので、清潔感を重視してサロン部分の内装と統一感のあるコーディネートになるよう心がけましょう。
ベッドなど必要な設備を置くのに最低限必要な面積は6畳ですが、どう工夫を凝らして配置しても広い印象は受けません。よりサロンらしい雰囲気を出すには、施術スペースだけで10畳ほどは欲しいところです。
空間が広がれば解放感やリラックス感が生まれやすくなり、サロン自体も明るい印象になります。これから物件探しや自宅の新築を考えている場合は、10畳確保できる間取りかどうかも重視しましょう。
自宅エステサロンは、独立して初めての開業で選択する人が多い形態です。初期投資や家賃分の維持費が抑えられるイメージが強いですが、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ一つずつ確認することで、自分とっての向き・不向きも見えてきます。
別の経営者のエステサロンで雇用されると、当然ですがオーナーや店長の方針、店のコンセプトに従って働く形になります。インテリアが自分の好みと違ったり、顧客の獲得やアプローチ方法などに共感できなかったりということは、エステティシャンをしている方なら一度は経験があるのではないでしょうか。
また、テナントを借りたり美容室を間借りしたりといった方法でも、100%自分好みにすることは難しく、周囲との調和やディスプレイなどに制約がかかる場合があります。その点、自宅サロンは自分の好みを全面に出せるので、何の制約も受けたくない人にとってはぴったりです。
テナントを借りてエステサロンを開業する場合、まずは敷金・礼金の支払いがあります。また、毎月の家賃に加えて更新料や共益費などが発生する場合も。自宅で開業するなら、場所を借りることに関する資金は原則必要ありません。
水道や電気も新たに契約する必要はなく、基本料金が発生しない点でも維持費の削減に。開業資金はエステ機器や設備に集中投資でき、維持費も最小限で済むので経費削減をしつつサロンのクオリティを上げられます。
テナントを借りる場合、事業計画書の提出が必要になるなど審査があります。大家さんとしては、貸しても赤字で家賃滞納されては困るからです。また、審査に通って借りられたとしても、不振が続けば退去を求められることもあるので利益を出すことへのプレッシャーもあります。
自宅サロンの場合、賃貸なら大家さんに許可をとる必要はあるものの開業にあたっての審査はありません。毎月の収入がお小遣い程度でも良いという人でも始められるので、マイペースに仕事の管理ができます。
毎日電車や車で通勤していると、通勤にかかる手間や時間、ガソリン代などが当たり前のようにかかりますね。自宅サロンなら通勤にかかる手間や費用がまるまる省けるので、時間もお金も体力も有効活用できます。
雇用されていると、エステティシャンに限らず勤務時間の縛りが発生します。シフト制だと、他の社員とも調整して自分の予定を変更することも少なくありません。自宅サロンは営業時間を自由に決められるので、営業時間も休業日も自分都合で設定できます。
例えば、予約を受け付けるのは子どもが学校から帰ってくる3時までとすることもできます。また、家族の行事やあらかじめ予定が入っている日は予約を取らないなど、フレキシブルな働き方ができるのが魅力的です。
自宅サロンは見た目が普通の住居なので、通りすがりの人が「ここ良さそう」と興味を持つことはほぼありません。また、大手エステサロンのような知名度やブランド力がないため、どんなに腕や設備が良くても全くの新規顧客の獲得はかなり難易度が高いです。
まずは前に勤めていたサロンで固定客になってくれた方や、友人・家族を通じての集客が現実的。そこから少しずつ口コミで評判を広めてもらいながら、リピーターや新規顧客を増やしていくこととなります。
自宅サロンは開業こそ手軽ですが、サロンの存在を周知させるためにはホームページやフリーペーパーなどで自宅住所を公開しなくてはなりません。また、予約用にいつでも連絡がとれる電話番号を、となると個人の携帯番号も公開が必要です。
防犯面を考えると自宅や連絡先の公開はあまり好ましくありませんが、自宅サロンは場所や連絡先が伏せられているとお客様側も警戒してしまいます。心配な場合は、正式予約してくれたお客様だけに詳しい番地や建物名まで教える、連絡先はプライベートと分けるなどオープンにする範囲を狭くする方法も考えてみましょう。
マンションで自宅サロンを開業する場合、施術スペースの改装で工事が入るなら必ず上下左右の隣人には一言知らせておきましょう。開業後も、エステで大きな音が出すことほとんどありませんが、大きな機器を入れると振動音が隣まで響くことは考えられます。外部から頻繁にお客様も入ってくるので、防音対策しておくのがおすすめです。
また、マンションのベランダをお客様の喫煙所にするのはNGです。タバコの煙や臭いが近隣に広がって迷惑なだけでなく、管理組合でベランダ喫煙禁止としているところもあります。自宅とはいえ商売を始めることには変わりないので、近隣の住民への配慮は忘れず行いましょう。
エステサロンの経営は、お客様が施術を受けにくる時間だけ働いていればいいものではありません。SNSの更新やサンキューレターの発送、消耗品の在庫管理などは家事の合間に行うことも珍しくありません。
また、施術前日は匂いが強く残る鍋や焼き肉ができないなど、家族を仕事に巻き込んでしまう場合も。居住スペースと仕事場が同じ空間にあるので、どうしてもオンとオフを完全に分けることは困難になります。
自宅をより魅力的なエステサロンに変身させるには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか。ポイントは、やはり生活感を消して特別感を感じてもらえる工夫をする点にあります。具体的な対策やおすすめの方法を確認してみましょう。
エステサロンにおけるリラックスできる空間とは、自宅にいるように寛げることとは違います。その空間にいるだけで癒しや解放感、ちょっとリッチな気分に浸れる時間を提供することが大切です。
住宅の内装は何もしなくても綺麗ですが、特別感を出すなら改装は必要です。賃貸で工事ができない、低予算で業者に頼めない場合は簡単にDIYしてみましょう。パーテーションやインテリア小物の設置、シールクロスで壁紙の変更、オシャレなカーテンに変えるなど簡単にお部屋の雰囲気が変えられます。
また、アロマデフューザーやお香を焚くなどして、香りで特別感を出すのもおすすめです。季節や施術内容、お客様の好みに合わせて香りを変えたり、リラックス効果のある香りを厳選したりと、内装の雰囲気と相まって非日常感が高まります。
どうしても広いスペースが確保できない場合、無理に大型のエステ機器を導入しても効率よく施術できず、結局設備面で有利な大手サロンに流れてしまいます。これまでのエステティシャンとしての経験もあるなら、最初はオールハンド施術で勝負してみましょう。
ハンド施術は技術や個性を発揮しやすく、力の入れ具合やマッサージ方法がお客様の好みと合致すればリピーターとなるファンも獲得しやすいです。数あるエステサロンの中でも独自性を示すことができれば、その後は業務拡大して広い場所でサロンをオープンと、着実なステップアップも期待できます。
部屋の面積はなんとか確保できそうだけど、機器を導入する初期費用が出せずリース代の支払いも不安…そういった場合も、オールハンドは有効です。エステ機器の導入は、まずはハンド施術でサロンオーナーのファンを作ってからでも遅くはありません。
エステ機器の導入のために内装がおろそかになってしまっては、特別な空間が演出できずリピーター獲得にもつながりません。優先順位を決め、今できることを見極めてからサロンの方針を固めましょう。
大々的に広告を載せられる大手サロンと違い、自宅サロンの集客はまさに草の根運動そのもの。SNSを駆使して有益な美容情報を発信しつつサロンの宣伝をする、地域での知名度を上げるためにクーポン付きチラシのポスティングをするなどが有効です。
また、宣伝費用はかかりますが予約サイトやフリーペーパーに載せてもらうのも知名度を広げるチャンスです。SNSのアカウントを公開して、継続して情報を見てもらえるよう誘導してみましょう。
友人や知人に無料で施術を受けてもらう代わりに口コミをお願いする、内装の写真付きで広めてもらうなど、良さを知ってもらえるような内容でお願してみてください。口コミベースで広がるのであれば、住所を大々的に公開する必要はなく防犯面も安心です。
節約意識は大切ですが、エステサロンに不可欠な機材や備品には出し惜しみせず最適なものを揃えましょう。施術スペースの大きさや施術したい内容によって決めるので、大きければいい・高ければいいというものではない点が重要です。
サロンの内装デザインと共通のコップやスリッパなど、小物にいたるまで世界観を統一させることも忘れてはなりません。また、客層に合った雑誌やアメニティなど、おもてなしの準備もぬかりなく行いましょう。
施術に使う設備は、エステサロン専用のものを選びましょう。例えばエステベッドは備品の中でも特に大型で場所を取りますが、折り畳み式ならコンパクトに収納できます。
また、エステ機器は大型なものばかりでなく、機能を限定すれば卓上で使えて価格帯も低めな小型サイズのものが選べます。多機能なエステ機器はメニューの可能性がどんどん広がり魅力的ですが、場所や予算が限られる中で必ずしもそれがベストとは限りません。
自宅サロンは気軽に始められるとはいえ、まとまった初期費用は必要です。ここでは相場ではどこにいくらかかるのか、目安や内訳いついて解説します。
自宅サロンを開業するなら、予算をトータルすると80万~110万円程度は必要と考えておきましょう。目に見えて分かる初期費用には内装や設備費用がありますが、この他に開業時に出し惜しみしてはいけないのが広告宣伝費です。
自宅サロンの開業資金の予算を大まかに分類していくと、以下のようになります。
オールハンドの場合はエステ機器の分の予算を削減できるので、予算80万円程度でも開業可能です。ここで意外にかかると思われたかもしれないのが、広告宣伝費の30万円。
自宅サロンの場合、特に広告に力を入れないと存在を知ってもらうこともできません。大手予約サイトに表示してもらったり、フリーペーパーに広告を載せたりすれば多くの人の目に触れる一方広告費はかさみます。費用対効果や収入とのバランスを見ながら調整できる部分ではあるので、オープン当初は予算をやや高めに設定して試行錯誤してみるのもおすすめです。
なお、エステ開業についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
自宅サロンの集客方法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
自宅でサロンを開業する最大のメリットは自分好みのサロンを気軽に開く事ができる所と言えます。但し、自宅サロンのスペースは限られていますので、エステ機器や備品などは購入前に必ず計測をしましょう。動線がスムーズになるようお客様の目線になって、素敵なサロンを作りましょう。
エステ機器にはさまざまな種類があり、目指すサロンによって購入する機器は変わってきます。サロンのコンセプトに沿った正しい機器の選定が重要と言えるでしょう。また、保証やアフターフォローの有無は、その後のサロンの運営に大きく関わります。
サロン開業時は、どうやってエステ機器選びをするべきか分からないことだらけ。だからこそ、機器選びだけでなくどこから購入、またはリースするかは大変重要な問題です。ワールドジャパンでは70種類以上の美容機器の取り扱いがあり、エステサロンや治療院などへの導入実績は500社以上にのぼります。
種類が多すぎて何を基準に選べばいいか分からない、サロンの方針がはっきり決められなくて機器選びができない…エステ機器選びに悩んでいたら、どんなことでも無料で相談を受け付けているので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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