これではご自分で、エステサロンの経営状況を知り、体質強化・経営改善を行ってサロンを維持・発展させることはなかなか難しいことではないかと考えます。

サロンの経営状況を的確に把握し課題を認識して経営改善に取り組んでください。
サロンを維持・発展させるためには「決算書を理解」して、売上向上、経費節減、経費の重点強化に結び付けることはより重要なことではないかと考えています。

そこで、今回は決算書のここだけは見る、最低限知らなければならないことは何かについて、ポイント、留意すべきことを記したいと思います。

経営者がチェックすべきポイントはそんなに多くありません。必要なことは自ら決算書を見て理解し考えその上で、税理士の方に疑問なこと、課題及び取り組むべきことをアドバイスしてもらうということにすればと考えています。そのためには「決算書を理解する」必要があります。

決算書は細かいところまだ理解する必要はありません。ポイントのみ押さえればよいと思います。税理士の方から決算書が届いたら書庫にしまいぱなしでは宝の持ち腐れです。

決算書は財務諸表の一つで、主なものは損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書等があります。それらについて、どんなものか具体的に説明いたします。

「できない理由」より「できる方法」を考える

身長の低い竹下さんが全日本女子バレーボール代表で活躍できた秘訣はどこにあったのでしょうか。
選手として最初の、そして最大の壁は159センチという低い身長でした。
ＪＯＣの選抜選手に選ばれるのも、身長の高い方が有利。高校卒業後もどこのチームからもなかなか声がかからず、実業団入団後も控えのポジションが長らく続きました。そこであきらめずにいられたのは、常に「ならば、どうする」と考えてきたからです。
「考えることから逃げない」。これはバレーボール人生を通して続けてきたことでした。
「身長が低いから通用しない」ではなく「身長が低くても通用するためには、どうすればいいか」
「何を頑張れば世界で通用するのか」「チームの中で、居場所をどうつくるのか」…。
「できない理由」ではなく「できる方法」を考え、あらゆることを実践してきました。・・・
周囲の助言も聞き入れながら考え続けていると、必ず道が開けてくるものです。・・・
コツコツとした努力は、いたって地味な繰り返しで、その時は意味があるかないのか分かりません。
しかし、実は一番、その人の人生を変えるものではないでしょうか。・・・

（ＰＨＰ11 (元全日本女史バレーボール代表キャプテン 竹下佳江氏)

損益計算書で特に留意すること、確認すべきポイント

＜売上関係＞

1. 売上高はどうか、落ち込んでいないか。商品・製品別の売上高の内容・推移でどんな種類のものが売れているか、なぜ売れているかの分析或いはどんなものが売れていないのか、その原因は何か、他社の製品に負けているのか、性能、価格で負けているのか等。
   ではどうしたらよいか分析検討し早急に対策を考え、改良すべきところは速やかに手をうつ。売上の推移には常に敏感に！
2. 売上原価はどうか。仕入れ価格は依然のままで変更しているか。業者の方としっかり価格交渉しているか、更に安価で仕入れできるところはないか等勉強する。
3. 業務委託費については適正か。相場と比して高くなっていないか、高くなっていれば相手側と協議し契約を見直すことも必要なのでは。
   現在は技術革新等で安価でいいものがドンドン出来ています。情報を入手して半期ごとに確認することも必要。

＜販売費及び一般管理費関係＞

1. 人件費について、人件費率 (人件費／総売上高) は適正か、社員・アルバイトの人数は適正か、人では足りている等、同一業界の人件比率と比較することも参考になります。
2. 経費について、(勘定元帳を見て)
   1. 広告宣伝費について、適正か、費用は多くないか、また、少ないことはないか等、効果はどうかよく検証する。
      成果を期待する、発展のために費用を惜しんでいないか等研究する。
   2. 接待交際費について、適正な比率か、目的を持って使っているか、時々効果はどうであったか等考えてみることも必要である。
   3. 水道・光熱費はどうか。日々のことであるので積み重ねると結構な費用となります。
      例えば電灯は省エネタイプにしているか、社員にコスト意識は指導しているか、具体的なコストダウンの指導はしているか。
   4. 諸々の保険料について、いつ契約したのか保険料はどうか等。
      保険会社等では新たな保険・見直しをしているので２年に一回程度は検証し保険会社と話してみることも必要では。
   5. 支払手数料について、勘定元帳を見て科目ごとに確認することが必要。
      全て見なくても金額が大きく、日常的な契約のものを確認したらと思います。
      日常的なものとしてコピーのリース契約、ＤＭ、宅配料金等。
      昔から契約しているものは、意外と見直しせずに契約当時のままになっていることがあるものです。勘定元帳を一度見て確認を！

＜営業利益・経常利益・当期純利益＞ ここが当期の成績です。

貸借対象表で特に留意すること、確認すべきポイント

＜流動資産の部＞

• 現金残高はどうか。現金がないと即事業展開に支障をきたすので毎月確実に確認
• 現金・預金の合計額はどうか。金額が不足していないか毎月確実に確認
• 売掛金はどうか毎月確実に確認し、支払いが滞っている場合には毎月必ず相手方に連絡する。連絡しないと支払いが遅れてもいいと思われることもあるので注意！

＜固定資産の部＞ 注視するポイントは省略します。

＜流動負債の部＞

• 買掛金はどうか。支払い遅れのものがないか確認。支払い忘れがあると信用を失う恐れがありますので注意！
• 未払消費税等はないか。支払いを忘れたり延期すると延滞料とか差押えの恐れがあるので注意！

＜固定負債の部＞

• 長期借入金の額はどうか毎月残高を確認。残高は減少しているか。

＜株主資本の部＞

• 繰越利益剰余金の額はどうかマイナスになっていないか等の確認

※ 貸借対照表、損益計算書